眠っている間に呼吸が止まっていませんか?
「大きないびきをかく」「眠っても疲れが取れない」「日中に強い眠気がある」
これらは睡眠時無呼吸症候群(SAS)のサインかもしれません。
国内に1000万人近く存在すると推定される睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、眠気や倦怠感が続くことで日中のパフォーマンスが低下し、また、高血圧や不整脈など、生活習慣病の発症や増悪、不整脈、は脳卒中、心筋梗塞による突然死を引き起こす可能性がある病気です。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)になると、睡眠中に呼吸が断続的に止まることで、体にさまざまな影響が出ます。主な影響は以下の通りです。
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日常生活への影響
- 強い日中の眠気:仕事中や運転中に眠気が襲い、事故の危険性が高まる。
- 集中力・記憶力の低下:脳がしっかり休めず、判断力や注意力が低下。
- 疲労感や倦怠感:睡眠時間は取っていても、質が悪く熟睡できない。
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健康へのリスク
- 突然死の可能性
- 睡眠時無呼吸症候群では夜間の突然死のリスクが、健康な方と比較して2.6倍と言われています。
- 高血圧・心臓病のリスク上昇
呼吸が止まると酸素不足になり、血圧や心拍が不安定になります。 - 脳卒中・心筋梗塞の危険性
酸素不足と血圧上昇が繰り返され、血管に大きな負担をかけます。 - 糖尿病の悪化
酸素不足や睡眠不足は、血糖コントロールにも悪影響を与えます。 - 寿命の短縮
重度のSASでは、心血管疾患による死亡リスクが高まると報告されています。
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その他の影響
- パートナーからの苦情(大きないびきや呼吸停止が目立つため)
- 性機能の低下(男性に多い)
- 抑うつや気分障害のリスク上昇
次のステップ
- 自分がSASかもしれないと思ったら → 睡眠時のいびき、呼吸停止、日中の眠気などに当てはまるようなら、検査を受けるのが第一歩です。
検査の流れ
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問診・生活習慣の確認
- 睡眠中の様子や日中の眠気などをお聞きします。
- ご家族の目撃情報も参考になります。
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自宅での簡易検査
- 指先や鼻にセンサーをつけて一晩の呼吸状態を調べます。
- ご自宅でできるため、手軽で負担が少ない検査です。
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精密検査
- 簡易検査で無呼吸が疑われた場合、結果によりさらに詳しく調べます。
- 脳波や心電図、呼吸の状態などを測定し、正確な診断を行います。
- 当院では精密検査も入院ではなく、自宅で行える体制を整えています。
治療の方法
CPAP療法(シーパップ)
- 寝ている間に鼻マスクで空気を送り、気道を広げて呼吸を助けます。
- 多くの方に効果があり、日中の眠気や疲労感が改善されます。
マウスピース治療
- 軽症の場合、下あごを前に出すマウスピースを使用し、気道を広げます。
- 歯科へ依頼しマウスピースを作製していただきます。
生活習慣の見直し
- 体重を減らす、寝酒を控える、横向きで寝るなど、日常の工夫も有効です。
治療後のサポート
- 治療を始めた後も、定期的に効果をチェックします。
- 睡眠の質を保つため、一緒に調整していきましょう。
CPAPの機械はレンタルですので、月一回の受診が必要です。