当院の胃カメラ検査は、現在ほとんどの方が静脈麻酔薬(鎮静剤)を使用した苦痛の少ない検査を希望されます。
2019年の内視鏡検査のうち、全身麻酔(鎮静)による経口内視鏡検査を選択された方の割合は94%でした。
当院で使用している麻酔薬は、プロポフォールを中心に使用しています。効果不十分な場合、またはプロポフォールが使用出来ない場合に備え、違う薬剤(ミダゾラム)も用意しています。
プロポフォールは他の薬剤と比較して効果の発現が早く、また醒めるのも早いため、検査後にお仕事にも行っていただけます。
覚醒が早いため、麻酔薬使用に伴う偶発症からの回復も早く、より安全と考えられます(当院では偶発症で問題となった方は1例もありません)。
安全性にも十分に留意し、万一の場合に備え生体モニターを常時使用し、酸素吸入・人工呼吸に移行できる救急の準備やAEDも備えています。
また、麻酔をかけることで通常の検査時に起こる嘔吐反射が少なくなるため、硬いカメラが入ることによる、のどや消化管への損傷のリスクが減ることもメリットのひとつです。
もともとプロポフォールは手術時の全身麻酔薬として使用され、使用経験のある医師が少ないことから日本では内視鏡検査の時に使用している医療機関はまだ少ないのですが、上記のように、他の薬と比較して効果や安全性のことから、欧米では内視鏡検査の鎮静に一般的に使用されている薬剤です。
検査終了後は速やかに通常の状態に回復いたしますが、念のために検査後30分程度院内で観察させていただき、その後に検査結果を説明し、帰宅となります。
もちろん、お時間がなく、また麻酔薬使用への抵抗感がある方はこれまで通り、経鼻内視鏡も行っております。
検査をご希望の方はそれぞれのメリット・デメリットについても説明いたしますので、ぜひ、ご来院ください。