インフルエンザの検査と治療について

みなさま、体調はいかがでしょうか?

 

そろそろインフルエンザの流行が始まってきております。

学級閉鎖のところもちらほらと出てきているようです。

 

とういんでも発熱で来院される方が増えてきていますが、

インフルエンザ検査をするにはまだ早い状況の方もおられます。

 

インフルエンザの検査や治療についてまとめてみました。

 

インフルエンザ検査

一般的におこなわれているインフルエンザの検査は「抗原検出キット」を用いた迅速検査です。

いままでに受けられた方も多いと思いますが、綿棒で鼻の奥をグリグリとされる検査です。

 

口からのどの粘液をぬぐうこともできるのですが、鼻のぬぐい液と比較すると正診率が低下するため、

基本的には痛みはありますが鼻からが望ましい検査です。

 

結果が出るまでの時間は約5〜15分程度で、使用するキットによって異なりますが、

最近は5〜8分のものが多いようです。

 

検査を受けるタイミングは?

インフルエンザが流行している時期に発熱がみられた場合、「インフルエンザかも?」と思われて、

すぐに受診に来られるかと思います。

 

しかし、迅速キットを用いた検査では発症早期のインフルエンザ検出率があまりよくありません。

発熱後に陽性になる割合は、6時間で50%、12時間で90%、48時間で100%といわれています。

 

このことから、発熱してから約12時間経過後の受診を勧められています。

 

しかし、当然インフルエンザの場合は39℃台の高熱でかなりしんどいですよね。

自宅に解熱剤がある場合は使用してもらって、12時間経ってから来院していただければと思いますが、

ない場合は二度手間になってしまいますが、解熱剤だけでも処方させてもらう方がよいかと思います。

そしてあらためて検査を受けに来ていただき、陽性の場合は治療を行うということです。

 

もちろん、発症数時間でもウイルス量が多い場合は数分の検査時間を待たずにものの数秒で陽性になる

こともあります。

なので、発症早期に来られた方には、2回検査を受けていただく可能性があることを説明させていただき、

発症早期の方にも検査を受けていただくこともあります。

 

当院では比較的発症早期からの陽性率が高い検査キットを使用しておりますので、

数時間程度で来院されても陽性判定できることも多いです。

 

検査は発熱後48時間以内には受けるようにしてください。

これは、インフルエンザウイルスの増殖は48〜72時間で最大になるため、

48時間までに治療薬を開始することで増殖を抑え、症状が軽くなり、短期間での治癒が期待できるからです。

その時間を超えると効果が乏しくなるので、注意してください。

 

インフルエンザ治療薬

現在使用されているインフルエンザ治療薬は、内服薬である「タミフル」、吸入薬である「リレンザ」「イナビル」、

点滴の「ラピアクタ」の4種類です。

 

内服薬:タミフル

オセルタミビルリン酸塩「タミフル」はA型、B型の両方に効果のある内服薬です。

カプセルと、小児用のドライシロップ(粉)の2種類があります。

1日2回、5日間内服します。

高齢者や小さいお子さんだと吸入薬はうまく使えないため、「タミフル」を処方することが多いです。

 

吸入薬:イナビル・リレンザ

ラニナミビルオクタン酸エステル水和物「イナビル」、ザナミビル水和物「リレンザ」は吸入の薬です。

これらもA、B型の両方に効果があります。

吸入薬であるため、気道に直接粉末剤が届くことで、即座にウイルスの増殖を抑制することができます。

 

「イナビル」は1回のみで長期効果がある薬であり、処方したら、ほとんどの場合は薬局で説明を受け、

その場で吸入していただき、インフルエンザとしての治療は終了となります。

1回で終了となるため、この薬を選ばれる方がほとんどです。

 

「リレンザ」は1日2回の吸入を5日間継続する必要があります。

5日間続けることが手間であるため、現在ではほとんど処方することはなくなりました。

 

どちらにしても高齢者、小児では吸入が難しいこともあるため、

当院ではうまく吸入できれば音の出る笛を用意しています。

その笛で確認してから処方することも可能です。

 

点滴:ラピアクタ

ベラパミル「ラピアクタ」は点滴で投与する薬です。

インフルエンザ発症時にはかなりの倦怠感を伴い、経口摂取が困難となることもあります。

また、点滴であるため、カプセルや粉薬、吸入が困難である方にも使用することができます。

 

体重や年齢に合わせて 量を決定し、院内で1回点滴をして終了となります。

 

異常行動について

以前、「タミフル」内服後の異常行動について話題になったことがありました。

「タミフル」と異常行動の間に因果関係は不明ですが、10代の未成年者への仕様は控えるように厚労省より指導されています。

 

その他の薬を使用した場合でも、保護者は小児、未成年者を2日間1人にさせないように配慮してください。

 

 

その他、発熱や咳などの随伴症状に対しての対症療法薬も処方いたします。

 

ご質問などございましたらお気軽にどうぞ。

 

 

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