遊んでいて転倒し、怪我をしたら…
・マキロンで消毒…
・傷に絆創膏やガーゼを貼る…
・できるだけ水に濡れないように…
・2〜3日したら乾かすために絆創膏をはがした…
こういう処置をされていませんか?
かつては常識と思われてきた、こういった処置は今では間違いです。
・傷は乾かすと治らない
・消毒しても可能は防げるわけではなく、創部にとって有害
・皮膚欠損層はガーゼで覆わない
・創部はよく洗ったほうが良い
最近ではこれらが傷の処置では常識となっています。
怪我の治療はまず水で洗う、創傷被覆材を使用する
これに尽きます。
なぜ化膿するのか?
・細菌汚染が高度
汚染創や創部に砂などの異物が残っている場合
・創部の栄養が豊富
血液や壊死物質(はがれた皮膚など)、免疫細胞や細菌の死骸などは
細菌繁殖の栄養となる
→よく洗うことが重要!
消毒はなぜダメ?
・消毒液は基本的に細胞毒性を持つ
細菌にだけでなく、傷を治すための細胞も傷害する
・消毒しても周囲の皮膚や創面を無菌化できない
表皮常在菌は1平方cm あたり1000〜10000個存在するため、効果は一時的であり、
すぐに細菌は繁殖する
湿潤環境を保つことが重要
・傷は乾燥させない
乾燥させると新しく作られる細胞が壊死→かさぶた
・創面から分泌される浸出液による湿潤を保つ
浸出液には細胞成長因子が含まれる
ジクジクしてきても化膿とは限らない
→ガーゼや絆創膏は浸出液を吸い取り、創部を乾燥させるため、極力用いず、創傷被覆材を使用する
とにかく洗うこと
・水道水でよく洗う
水道水中にはほとんど細菌はおらず、細菌が混入していても水流で押し流されるため、
滅菌である必要性はなし
流水で創面に付着している細菌を流し落とす
・石けんを使用する
砂や壊死物質を浮かして流す
・痛みが強いときは生理食塩水を使用する
体組成と浸透圧差が無いため、刺激が少ない
厳密ではなくてもOK 水道水1Lに食塩9g程度
創傷被覆材(ハイドロコロイド材)
- ・創面を閉鎖することで低酸素状態となり、その代償として創部の毛細血管形成が促進され、創治癒が促進する
上記のように毎日(できれば1日2回)傷を洗浄し、創傷被覆材もその都度交換することで、
傷を早く、かさぶたを作らずキレイに治すことができます。
当院では砂の入った創の洗浄などに対して、痛みの少ない方法での処置を行っています。
自宅での処置に不安な方、お子さんの怪我など、ぜひご相談ください。